背日記


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銀河不動産の超越
12/26 (Fri) 21:47|
森博嗣 『銀河不動産の超越』読了。
森博嗣は初めて読みました。これも梅干読書会の課題図書。
淡々とした文体でした。
これも完全にネタバレてますので未読の人は飛ばしましょう。

ある不動産会社に勤めるなんという特徴もないある青年が主人公。
彼は会社に突然現れた女性から、あるとてつもなく広い空家を貸し与えられる。
趣味も大きな荷物もとくにない主人公には広すぎる空間、
そこにはなりゆきで奇妙な人間たちが集い、同居しはじめる。
寂しがり屋の作家、お金にならないお金の模型をつくる彫刻家、
音楽家、家の中にジェットコースターを走らせたい老人。
やがてそこに家族が生まれ、ひとつの共同体となり、また解散し、新しい形を生み出していく。
主人公に空家を貸した女性は時折訪ねてきては「素敵!」と興がって帰っていく。
まるで蟻の生活観察を楽しむように
ドールハウスを作らせて眺めている神の視点の遊戯。
主人公も人生に対して一歩ひいて自分の人生をながめてるようなところがあるけれど
その自分も「ながめられている」と気づいた主人公は一瞬戦慄しつつも
そのドラマの中にとかしこまれて淡々と生きていく。

ちょっと怖かった。
私は主人公のようにはたぶんなれないな、
自分が生きているのさえも架空の遊戯の一部なのじゃないかって思うと
怖くて眠れなくなってしまう気がする。たぶん逃げてしまう。

主人公にはほとんど個性とか特徴といったものがなく、
自分の家の空っぽのスペースや好みとかない自分の性格のなかに
与えられたものを受け身でのっかって受け取っていくだけなのだが
それくらい己を空しうする、ということはできるようで
なかなかできないんじゃないかしら。
と思った。
「満ちた杯にはそれ以上は注げない、
空の杯は満たされることができる」というような老子の言葉も思い出した。
世界の縮図を見てるようだ。
ハッピーエンドです。でも、ちょっと怖かったです。

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コメント

思い出したのですが、話題作だが出来が悪い映画に対するレビューの一つに「この映画を見るなら道ばたで蟻の観察をした方がマシ」というのがあり、印象深かったです。
2008/12/27(土) 01:04:42 |URL|キノコルゲ #- [編集]
これはまた辛辣な。
しかし映画と比べてしまうとなんですが
蟻の生活はおもしろいですね。
ドラマティックです。
2008/12/27(土) 09:25:41 |URL|hakka #2MSNKDvE [編集]

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